【毎朝10分片づけクラブ体験談 vol.4】あったかい居場所で磨かれる、私の心

一人じゃない、みんなと片づけるから「気づき」と「変化」が加速する片づけクラブ。片づけが終わったあとにふりかえりをしながら、主宰者のゆっこさんから日々の気づきの話を聞いたり、参加者の経験をシェアしたりする時間は片づけクラブの人気コーナーです。

話される内容は片づけに直接関わることだけではありません。職場や家庭での人間関係の悩みを解決するヒントなど、“心のお片づけ”ができるようなお話を毎日聞くことができるんです。北原薫さんはこの時間が大好きで、宝物を得るような気持ちになるといいます。

「みなさんからいただく言葉、表情や声までもが、私をつくっている。たとえ直接話をしていなくても、無意識のうちに何かしら影響を受けて生きてると思うんですよね」

感性豊かな薫さんは、毎朝の話を自分の言葉に落とし込み、気づきのメッセージとして日常に活かされています。

そんな薫さん、実は片づけクラブをやめていた時期もあったそうです。薫さんが片づけクラブに戻ってきた理由や、戻ってきたあとの展開から片づけクラブの“コミュニティとしての魅力”が見えてきました。

プロフィール

北原薫(きたはらかおる)さん パート勤務をしながら家庭を守る。深くてぬくもりを感じる言葉で紡ぎ出される日々の気づきで、周りの人に優しくあたたかな影響を与えている。趣味は書道。

すぐそばにあったきっかけ。掴んでみたら、日常が輝きだした

Q
片づけクラブ入部のきっかけについて教えてください。
A

2軒隣のご近所さんが元片づけクラブのメンバーで。ずっと仲良しでしたが、なかなか会えず久しぶりに会って「最近どう?」と近況の話をしていたら、朝活に入っていると聞いて片づけクラブを知りました。

ご近所さんがいう片づけクラブがとても魅力的に感じたんです。「寝坊しても『睡眠の片づけだね』と言ってもらえるから落ち込まずに済んだ」「心理学を学んでいる主宰者だからこそ、心の話が出てきて、参加者みなさんのシェアからも学ぶことが多くて、感動する」とキラキラした表情で話をしてくれました。

部屋の散らかりは以前から気になっていましたが、片づけクラブに惹かれたのはどちらかといえば、「ご近所さんの心の変化」の部分です。「私も生き生き過ごしたい!」と、軽い気持ちでポンっと入りました。

Q
──ご近所さんの楽しさが薫さんにも伝染していったのですね!実際に入部してみると、どうでしたか?
A

片づけができる達成感もありましたが、最初の3ヶ月間で私が強く感じたのは、心と思考の変化でした。私、自己肯定感がすごく低い人だったんですよ。自分を褒めてあげるなんて、なかなかできることじゃなかった。片づけクラブでは毎月21日間、早朝から10分片づけをしますが、そもそも「毎日コツコツ」という習慣が苦手な人でしたし。

でも、片づけクラブは片づけ以外にもストレッチや瞑想、体験をシェアする時間があって、全ての時間で自分の気持ちが日々上がっていきました。自分にはない思考、自分にはない人の捉え方が朝の時間にどんどん入ってくるのが大きかったですね。

私はゆっこさんが話してくださる、心を整えるための話が本当に大好きです。たとえば、先生が授業からちょっと脱線して、何か勉強以外の話をしてくれたら、そっちの話の方が面白くて一生懸命聞いている感じで、片づけよりも熱心にゆっこさんの話を聞いていました(笑)。

私自身が「イイ感じ」になっていった最初の3ヶ月は、日常が大きく変わったわけではありません。会社に行って仕事をして、家に帰って家事をするいつもの日常のままでした。それが、心のあり方を変えるだけで見え方がまったく違ってきたんです。以前は会社や仕事に対して感謝ができてなかったと思います。日々気づきを重ねることで「この会社に入れるだけでもありがたい」と思えるようになっていきました。

やめると言った時に支えてくれた、ゆっこさんの言葉

Q
片づけクラブに入って日常が輝きだしたとのことですが、3ヶ月で一度やめておられるのですよね?毎日楽しんで参加していたのに、どうしてやめてしまったのでしょうか?
A

一度やめてしまった背景には、高校生の息子の体調不良とそれに伴う不登校がありました。夜中に腹痛を起こす息子の背中をさすっていると、春から3ヶ月、いい調子で自分とは向き合えてきたのに、息子のことは見てあげられていなかったと自分を責める思考になっていったんです。

また自分の世界に閉じこもって、朝活に参加している素敵なみなさんは「マル」、私は「バツ」とジャッジをしてしまっていました。次第に、どんな顔をして参加したらいいのかわからなくなっていって…体力的にも精神的にも余裕がなくなり、私は逃げたんです。もう、逃げさせていただきました。

でも、ゆっこさんは私がやめると言ったとき、そのままの私の気持ちを受け入れてくださったんです。そして「息子さんの不登校で向き合っていることは、のちのち薫さんの財産になりますね」とメッセージをいただきました。

「財産」という言葉に私はドキッとしました。そこからは落ち込まず、冷静に息子と向き合うことができたと思います。私の意識が「今の経験を財産にしよう」という意志に向かっていけました。だからゆっこさんに感謝ですね。

ゆっこさんの言葉がなければ、息子との時間にもバツをつけていたと思います。片づけクラブはやめてしまったけど、ゆっこさんの応援メッセージで、清々しい気持ちで仕事に取り組めました。息子は転校して今では新しい環境にも馴染んで頑張ってくれています。

Q
ご家族とご自身に向き合われた日々を過ごされていたのですね。そこからまた薫さんは片づけクラブに戻ってこられるわけですが、戻ろうと思われるまでの気持ちの変化について詳しくお聞きしたいです。
A

やめていた期間は半年くらいで、この期間はゆっこさんの言葉で落ち込まずに過ごすことはできましたが、私の思考がまたちょっと昔の自分に戻っていってるなと思う瞬間がチラチラ見えていました。

片づけクラブでの3ヶ月で、せっかく「私はできる」という気持ちで過ごしたのに、それがどんどんゼロに近づいていく感じ。私の中には恐怖に近いものがありました。

そんな日々の中、家族ぐるみで仲良くしていた大切な友人が病気で亡くなりました。その友人の奥さんと3人の子どもたちのサポートに入っていたので、友人の家族と一緒に過ごす時間がちょっと増えたのですが、その人たちの姿を見ていたときに「私、このままじゃいけない!」と思えてきたんです。

残された家族はいろんな選択を迫られている。でもその選択に取り乱さず向き合って、何がベストかを選び、前へ進もうとされていました。冷静に話し合い、逃げずに選択と向き合っていく姿勢を見せられて、苦しいことにしっかり向き合うことがどういうことなのかを教えられているかのようでした。

「私も苦しい選択から逃げずに向き合おう」と思って、ゆっこさんにとりあえず1ヶ月だけ復帰させてもらえないかとメッセージを送りました。

戻ってきたら、広がった仲間の輪。片づけクラブで、“新しい私”と出会い続ける

Q
「とりあえず、1ヶ月だけ」と復帰されて、もう1ヶ月以上続けておられますが、戻ってきた時は最初の3ヶ月と違いはありましたか?
A

最初に入部して3ヶ月で感じていた、心が満たされていく感覚を思い出せたのは大きかったですが、戻って1ヶ月経って、最初の3ヶ月間とは異なる変化がありました。片づけ後のふりかえりの時間で、私のアウトプットシートをシェアしてくださったことがきっかけでした。

アウトプットシートには、片づけに直接関係ないようなことも、ゆっこさんの心のお話を聞いて感じたことや日々の気づきがあれば書いています。私は相反するものに惹かれるところがあって、そのことをシートに書きました。

「相反するものは、たとえば書道だと一筆目にボタっと黒い墨をなじませて、最後ハネる時はかすらせるところ。あとは、大好きな阿蘇の緑の草原の中にポンっと赤い花が咲いているところとか。

私の中にも腹黒な部分もあれば、うぶな白い部分もあったりして。心惹かれるものが私の心の中にもちゃんとあったんですよね。自分の魅力を 1つ発見することができて、今まで思い描いていた理想の自分より、今の自分の方が好きかもと思えました」

そういった内容を書いたアウトプットシートだったかと思います。ゆっこさんに朝、いきなり当てられてこの話をしました。びっくりしましたが、それを聞いてくださった参加者のお一人が、その日のお昼に「朝活同期の◯◯です」とメッセージを送ってくださったんです。

私は正直、だれが朝活に一緒のタイミングで入って同期なのか覚えてないぐらい自分のことしか考えてなかったんですけどね。メッセージをくださったことに感動しました。ものすごく愛をくださる方で、その方を通じて、片づけクラブの他の参加者と次々と繋がっていけました。

片づけクラブには、素敵な活動をされている方がたくさんいらっしゃいます。ヨガの先生を紹介してくださって、今オンラインで講座を受けていますし、リンパケアを教えてくださる方とも繋がりました。

メッセージをくださった方と交流を続けていると、私が住む熊本まで飛んできてくださったのも驚きでした。同じく熊本出身の方にも一緒に会えたりなど、ちょっと自分では追いつかないスピードで人脈が展開していったんです。

メッセージをいただけていなかったら、私は人と関わろうとしなかったと思います。受け身だったので、「私とゆっこさん」「私と片づけクラブ」と閉じた世界にいて、人脈を広げることなくゆっくり過ごして終わっていたでしょう。「こうやって人と関わっていくといいんだ」というお手本を見せてもらってるようです。私もちょっと勇気を出してメッセージを誰かに送ってみるなど、少しずつ、自分から動けるようになっていました。

Q
片づけクラブを続けることでどんな自分になっていきたいですか?
A

まだまだ知らない自分がいる気がしています。日々、片づけクラブで気づきや発見をいただいていると、今の現状が私のベストではなく、まだまだ変わっていけるはずと自分の可能性に自信が持てています。

元の自分に戻ってしまって、ここまで過ごした時間をやっぱり無駄にしたくない。「私でいられてよかった」と思えるような人生、日々を過ごせるように、ゆっこさんの話も皆さんの体験談もまだまだたくさん聞きたいです。

復帰して1年経ち、何かを「楽しむ」「感謝する」といった、心の土台を片づけクラブで整えさせてもらったと思えます。やっと土台ができたという感覚があるので私はまだここからです。

Q
最後に片づけクラブの入部を迷っている人へのメッセージをお願いします。
A

「きっとそれぞれの何か一つ、宝のようなものが見つかるよ」と、まずお伝えしたいです。私自身もそうでしたが、一人で苦しむのを抜け出すきっかけはやっぱり人との関わりだと思います。片づけクラブの皆さんは、どんな自分でも受け入れてくださってあったかいです。人が怖い、うまく喋れないと思っている方にとっても大丈夫な場所。チャレンジするのであれば、片づけクラブだと私は思います。

おわりに

片づけを通して心を磨いていきたいと話してくださった薫さん。薫さんにとって心とはシャボン玉のイメージなんだそうです。

「シャボン玉は息を吹き込んで大きく膨らますと、丸から楕円になったり動きながら形を変えていくじゃないですか。表面は虹色の渦がこちらも動きながら模様をつくっている。少ししたら割れちゃうけど、心もシャボン玉みたいにちょっとずつ大きくして、あんなきれいな色にしていけたら。そんなイメージをして生きていきたいです」

シャボン玉は壊れるたびに、またシャボン液に息を吹き込んで膨らませて新しいシャボン玉を作る遊び。心だって、傷ついて壊れてしまうたびに“優しくてあたたかい言葉”という息で膨らませて、どんどん大きくしていくのを楽しむことができたなら──

大きく膨らんだ心はいろんな人の影響を受けて形を変えつつ、感情の渦がきれいな模様をつくり、きっと見る人の心に癒しを与えてくれるはず。薫さんが片づけクラブで仲間の輪を広げておられるのは、薫さんのシャボン玉のような心に癒される人の連鎖が起こっているからだと思いました。

仲間と心を磨き合える片づけクラブ。あなたにとっての居場所の一つにしてみませんか?

ライター : 紗矢香

この記事を書いた人

紗矢香

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