
「ゆっこさんには本当に感謝しているんですよ。人生が変わりはじめている気がしています」と笑顔で話してくださったまりりんさん。まりりんさんは朝活に参加するようになってから、毎朝片付けをしたり、自分の感情や考えていることを書き出したりすることで、日々さまざまな気づきが生まれているそうです。
まりりんさんのお話を聞いていると、「片付け」や「書く」習慣は“気づきの花”を咲かせるための「水やり」のように思えます。毎朝の習慣が「彩り豊かな日常」につながることを教わったインタビューの時間は、心があったかくなる時間でした。
もともと「片付けができない」ということが呪いのようだったというまりりんさん。それが今では「片付けが楽しい!」と思えるようになっている——。どうやってそんな風に気持ちを変えることができたのでしょうか?
まりりんさんの体験は、記事を読んだ方の心に「自分にもできるかも」という希望の種を宿してくれるかもしれません。

自然や動物を愛し、自然体で生きることを大切にしている。ご両親を見送ったことをきっかけに、「新しい人生をスタートさせよう」という思いが芽生え、知識欲のおもむくままにさまざまな講座を受講。そのなかで、ゆっこさんと出会う。
「片付けられない自分」を変えたい——朝活との出会い
もともと、ゆっこさんとはある講座で出会いました。講師として時間内で進行しつつも、参加者が安心して話せる雰囲気をつくっておられたのが印象的で、すっかりファンになっていたんです。
「何かを学ぶならまたゆっこさんから学びたい」と思っていたときに、「魔法の質問」という質問力を高める講座の講師もされていると聞き、受講することにしました。そのときに朝活の存在も知ったのですが……すぐに参加しようという気持ちにはなれませんでした。
というのも、私はADHDと診断されていて、ADHDの人は片付けが苦手と言われています。私の場合は苦手を通り越して本当に自分では手がつけられないほどでした。どうしようもない状態になって、やむを得ず人に頼んで片付けてもらうことを繰り返していたんですよ。
そんな私が片付けを自分でやってみようと思えたきっかけの一つは「自分との対話」でした。ちょうど「魔法の質問」を学んだこともあり、友人が「自分にとって美しいと思う空間にできているか?」という問いに答えているのを聞いて、私もその質問を自分に投げかけてみたんです。
すると、出てきた答えは「できていないこと」ばかり。ネガティブな答えしか浮かばない質問自体に、少し違和感がありました。そこで、自分がワクワクできるような質問に変えてみたんです。最初に思いついたのは「どんな空間なら最高?」でした。
この質問に変えてみると、望んでいる状態が意外と叶っていることに気づくことができました。愛犬と過ごす時間が持てたり、自分で育てた野菜を食べたりと、やりたいことができているなと。

一方で家の中に目を向けると、特に好きでもない、心がときめかないモノに囲まれている状況で……自分がどうありたいかを深く考えるきっかけとなりました。そのときに私が思った最高の空間は、「好きなモノに囲まれて、うっとりしながらくつろげる空間」でした。
そのイメージを実現するために「片付けがしたいな」と少しずつ思えてきたんです。そもそも、人に頼むにもお金がかかるし……そういう現実的なこともあって、自分でやる方向に気持ちが傾いていきました。
そんなタイミングで普段あまりチェックしないSNSを見ると、朝活の参加者募集の投稿が目に飛び込んできたんですよね。朝の時間を大切にしたいとも思っていたので、「これは今の私に必要なことだ!」と運命を感じて申し込みました。

たった10分で片付けが「呪い」から「楽しい!」に
毎朝、「(10分片付け)スタート!」とゆっこさんから号令がかかると不思議と体が動き、自分で片付けられるようになりました。少しずつ感覚がつかめてきて、6日目あたりからは「10分でできること」がわかるようになっていきました。
ひとりでやろうとしていたときは、頭の中で「片付けよう」と自分に言い聞かせても、なかなか動けなかったんですけどね。
朝活に参加すると決めたときは、「楽しく片付けできたら最高!」という意図を持ってはいたものの、正直なところ「本当にそんなふうに思えるかな…」と半信半疑なところもありました。
実は昔、片付けができないことを理由に、当時のパートナーから人格を否定されるような酷い言葉や態度を受け、心が押しつぶされてしまうような経験があったんです……。その経験から「片付け」に対して苦手意識よりもっと深くて重い感情が湧き上がり、私にとっては「片付けられない」という言葉がまるで「呪い」のようにずっと心に突き刺さっていました。
それが朝活に入った初日から、鼻歌を歌いながら片付けられているんですよ!朝10分の片付けの時間は、私にとって“魔法の10分”です。片付けに対するイメージがまさか「呪い」から「楽しい」に変わるなんて、本当に驚いています。
「書く習慣」が心に与えてくれたもの
そうですね。朝活では、「ジャーナリング」と呼ばれる、感じていることや考えていることをそのまま紙に書き出す時間があります。書き出す方法そのものは、これまでに学んだことはあったのですが、毎日続けて取り組んだのは初めてでした。
続けていると、心にも少しずつ変化がありました。思考や感情の整理ができるようになってきて、日々の出来事から得られる気づきもどんどん増えています。

私は病気で体調を崩して何もできなくなってしまったとき、「今までやってきたこと」や「これからやろうと思っていたこと」に対してのもどかしい気持ちがありました。まるでその感情が心の棚を埋め尽くしているかのようで、息苦しさを感じていたんです。
そういうことを考えるのを一切やめたら、心の棚は空っぽにはなりましたが、どこかむなしさはあって……
そんな私にとってジャーナリングは、空っぽになった心の棚に「新たな発見」や「自分の本当の感情」といった大切なものを一つずつ置いていく作業のようで、心が満たされていく感覚を味わっている気がしています。
また、ゆっこさんが日常での気づきをシェアしてくださることも学びになっていて、毎朝の楽しみのひとつですね。
「完璧じゃなくていい」—— 小さな完了の積み重ねが自信に
頭の中がごちゃごちゃしてモノゴトが中途半端になることが多かった私ですが、今はひとつずつ取り組むよう意識しています。朝活に参加することで、その習慣が自然と身につきました。
ゆっこさんが言ってくださった「完璧主義じゃなくていいから、完了させよう」の言葉が響いたのも大きかったです。完璧を目指しすぎて手が止まったり、結局できなくて落ち込んだり……そんなことを私は積み重ねてしまっていたので、朝活の10分だけでもできれば自分にOKを出しています。
朝活の10分でひとつは片付けが“完了”できます。それを毎日続けていくと、部屋の中に整っている空間が増えていきました。そして、毎日小さくてもできたことを積み重ねることで、自己肯定感も少しずつ育ってきています。

“心地よい空間”を目指し、朝活で自分と向き合う日々
今、手元に残っているのは「お気に入りのモノ」というより、「実用的で必要なモノだけどボロボロでときめかないモノ」ばかり。それに気づいたとき、少しさびしい気持ちになりました。だからモノを手放しながら「どんな空間なら最高?」と問い続けていくことで、本当に心地よいと感じられる部屋に整えていきたいです。そうすることで、心のあり方も変えていけたらと思っています。
まずは自分の誕生日までに「完了させる」を意識して、片付けだけではないことも含めて、いろんなモノゴトをきちんと終わらせて手放していく予定です。
そして、まだはっきりとイメージできていませんが、朝活での10分片付けを続け、手放しを完了させた先には新しいスタート地点に「新しい自分」が立っているイメージはあります!
おわりに
「私の体験を聞いて朝活に参加し、習慣をつくるきっかけになればうれしいです」。そんな風に話をしてくださったまりりんさん。同じように片付けができないと悩んでいる方に届くよう、心や部屋の変化について真摯にお話いただきました。
「部屋も心もぐちゃぐちゃ。どうにかしたいけど、どうしたらいいかわからない……」
もし、こんな悩みを抱えている方がいたら、心を見つめる時間を朝活で一緒に過ごしてみませんか?「今、この瞬間、仲間と同じ時間と行動を共有できているんだ」と思うだけでもやる気が湧いて、ひとりでは得られなかった「できることが増えていく喜び」を感じることができるかもしれません。
取材のあと、まりりんさんは「誕生日までに片付けを完了させる」という目標を見直し、「実感」や「感謝」といった“感”をテーマに日々を過ごしていると近況を教えてくれました。誕生日にはご近所の方を自宅に招いて、感謝を伝えるパーティーを開く予定だそうです。「人を家に呼べるなんて」と話すその言葉からは、ご自身の変化を楽しんでいる気持ちが伝わってきました。
悩んでいる方ほど、ぜひ一度体感してみていただきたいです。「片付けられない呪いが解ける魔法の10分」を。
ライター : 紗矢香